「別に嘘ではないけれど、どうでもいい話。」
こだわり。
とまではいかなくとも、
他人とはちょっと違う解釈だったり、活用方法だったり。
多かれ少なかれ、誰しもそんな事柄が1つ2つはあったりするものです。
自分以外の人には少々理解しづらいような内容であったりすることもありますが、
私自身に限ったことで言えば、
ブーツ類（丈の長いもの）の多くに、
10円玉を入れています。
はい。
履いている時も、です。
常にその感触を足裏で感じながら歩行することになるわけですが。
どちらかと言うと、
足の臭いと、ヘソの中の臭いは悩むことが無い体質のようなのですが、
（特にヘソはほぼ無臭です。）
ある時、ズブ濡れになったブーツを乾かしつつ、
念のためにと銅イオンの消臭効果を求めて忍ばせた10円玉の存在をすっかり忘れ、
そのまま履いて出かけたことがそもそもの始まりでした。
最初は多少の違和感があったものの、
人間の順応能力とは怖いもので、そのうち何ら気にならなくなり、
むしろその感触が無いブーツが落ち着かないような気分にもなり、、
気がついたらそれ意外のブーツ様にもお賽銭のように
ちゃりんちゃりんと10円玉を放り込みはじめて今に至ります。
そんなブーツ様にお賽銭をあげていますと、
ときには恩恵にあずかることもあったりします。
以前、出張で出かける際、
車で送り届けてもらった先で何気なく携帯を取り出そうとしたところ、
ないわけです。
携帯が。
携帯とか書いてしまいますとアレですが、スマートフォンです。
ちなみにスマフォじゃなく、スマホらしいですね。
割と納得いかないので携帯と言うことにしています。
どうでもいいですが。
どうやら充電したまま忘れてきてしまったようで。
わたくしを送り届けた車はとうに走り去り、
新幹線の時間も迫る中、とりあえず店に電話しようと携帯を、、、
「あるわけない。」
その携帯を忘れたんで。
そこで、公衆電話をと考えるのですが、
この時代めっきり公衆電話機の数も減っているんですね。
なかなか見つからない。
昔は駅なんて場所であればすぐに視界に入ってくるくらいたくさんあったもので、
公衆電話機の場所もだいたい把握していたりしたものです。
ようやく見つけてさて電話を、
と思いきや、
「小銭がない。。」
これはもう飲みたくもないお茶でも何でも買って小銭を作るしか無いかと
諦めてコンビニへと足を向けたとき、感じましてね。
踏み出したその足の裏に。
今この瞬間なら札束よりも価値のある、
10円玉。
突然ズボッと脱いだブーツをひっくり返して出てきた10円玉を手に公衆電話に向かう男。
落ち着いて客観的に考えましたら滑稽な光景なんですが、
おかげで無事携帯を届けてもらいまして事なきを得たわけです。
大した意味も持たず惰性で身に付いた習慣に突然救われますと、
もともと意義を持って始めた習慣よりも更に大義を感じてしまうような、
ある種の錯覚なんでしょうね。
他人に不思議がられるような独自のこだわりっていうのは、
だいたいそんなものなのかもしれません。
Optical Inada 稲田眼鏡店
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