Grandmother's spirit lives on..
たまににはブーツを履きます。
長い事メンテナンスらしいメンテナンスを特にしていなかったこともあって、
ソールのラバー部分がすっかりスリ減ってしまっていることに
最近気付きました。
リペアに出そうと思い、
近辺で靴の修理してくれるお店を探したのですが、
今、市内で靴の修理をやっているお店は存在しないようで。
かつては靴屋さんのご主人が靴から鞄から傘など直してくれるようなお店も
何軒かあったそうですが、何だか少し寂しいですね。
じゃあソールのリペアが必要になった靴はどうするの?
という質問に
「もう捨てる。」
と答えたのは、なんとうちの母。
なんでも、お店に持ち込んでも、
「もうこれはダメなので新しいものを。。」
と言われることが多くなったからだそうで。
とある靴屋さんではインソールを左右逆に入れられた、
なんて話も聞いたことがありますし、
(それはさすがにどうかと思いますが。。)
思うわけですよ。
いかんぞ、日本!と。
都会よりもむしろ地方のほうに
”大量消費使い捨て”を感じるのはあながち気のせいではないと思います。
まあ、悶々としてても仕方がない。
やりきれない気分のときは、
Re:Buildを仕上げます。
削り落として、磨いて、磨いて、磨いて、
特殊な溶剤吹きかけて、、また磨いて、、メタル部分は表面の塗装を落として、磨いて、、燻す。。
まぁ別に悶々としていなくても、
ご来店のお客様が無いときには、
だいたい何かしらこういった作業をしているわけですが、、
そうこうしていると、先程こんなご依頼が。
「だいぶ前に亡くなった、自分のお婆さんが使っていたフレームを使って、
眼鏡を作りたい。」
と、こちらのフレームをお持ち込みいただいたのはHさん。
だいぶ使い込まれたサーモントタイプの眼鏡フレーム。
ステキです!
表面やメタルパーツのくすみ、傷はさすがにけっこうありますが、
セルの劣化も見たとこほぼなさそうですし、
リペアしたら十分使えるようです。
大切に大切に使われていたモノなのでしょうね。。
Hさんはご自分で洋服をリメイクしたり、創作作業がお好きな
とても素敵なご婦人で、そのセンスには驚かされます。
そういうセンスを持ち合わせた方というのは、
モノに対して向き合う姿勢や敬意が違うような気がします。
というわけで、
Re:build 番外編。
これを使っていたお婆さんの姿を、
これから使うHさんをイメージしながら作業に入ります。
”売るための技術”だけに特化した寂しいお店をやるつもりはありません。
Optical Inada 稲田眼鏡店
Director 稲田 宏
新潟県見附市新町1-10-15
Optical Inada 稲田眼鏡店